ごあいさつ

点滴療法

アンチエイジングは基本的には食事と運動で老化防止をはかるのですが、より積極的な治療法として点滴療法があります。

当院ではマイヤーズカクテル、キレーションの点滴療法を実施しています。

高濃度ビタミンCの点滴療法については現在準備中です。

 

 

1. マイヤーズカクテル療法

アメリカのジョンマイヤーズ医師が行っていたビタミン・ミネラル点滴療法です。

マイヤーズ医師の死後、マイヤーズ医師の点滴を打って欲しいという患者さんが多かったため、お弟子のアランガビー医師が記録を頼りに作成したのがマイヤーズカクテルだそうです。

ガビー医師によってマイヤーズカクテルは広く全米で認知され、現在ではわが国でも普及しています。

 

マイヤーズカクテルの成分)

ビタミンB1, ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、マグネシウム、カルシウム、グルタチオン

 

マイヤーズカクテルの効果)

気管支喘息、片頭痛、疲労、線維筋痛症、うつ、虚血性心疾患、上気道炎、アレルギー性鼻炎、慢性じんましん、甲状腺機能亢進症、スポーツ

 

点滴の方法)

週1~2回程度、1回あたり30分かかります。

 

副作用等)

針をさした部位の皮膚や血管の痛みを感じることがあります。

アレルギーや気分不良をきたす可能性はあります。

ミネラルやビタミン剤ですので重大な副作用はありません。

 

 

2.キレーション療法

キレートとはカニの爪という意味です。カニの爪のようなキレート剤で体内に蓄積した有害な金属や動脈硬化を除去する治療法です。

キレート剤にはいくつかの種類がありますが、成人に対して普及しているのはカルシウムEDTAとナトリウムEDTAの2種類です。

カルシウムEDTAは、動脈硬化のない方で有害金属排泄を目的とした方に向いています。

ナトリウムEDTAは、有害金属排泄だけでなく、動脈硬化症、虚血性心疾患、膠原病、関節疾患、骨粗鬆症、糖尿病などの改善に有効です。

 

キレーション療法の歴史)

 キレート剤は1930年代に開発されました。

1940年代になるとキレート剤は鉛中毒に対して投与され効果がありました。

2003年 アメリカのNIHがTACT試験を開始しました。

キレーション治療に心筋梗塞の再発防止効果があるかどうか、厳密な二重盲検試験が実施されました。

2013年 NIHはキレーション治療に心筋梗塞の再発防止効果があったことを発表しました。

 

以下は今日のキレーション療法の主力であるナトリウムEDTAについて述べます。

 

キレーション療法の効果)

1. 有害金属の除去効果

2. 動脈硬化の治療効果

3. 抗酸化作用(アンチエイジング効果)

 

具体的な投与法)

ナトリウムEDTAを各種のビタミン剤やミネラルなどの栄養剤と混合し、90分間かけて点滴投与します。

投与回数は目的や病気によって異なりますが、例としては以下のとおりです。

 

   アンチエイジング  月2~3回 計10回投与後は月1回

   高血圧、糖尿病   月3~4回 計20回投与後は月1~2回

   動脈硬化      月3~4回 計30回投与後は月1~2回

   狭心症       週1~3回 計50回投与後は月1~2回

   有害金属汚染    週1~3回 計20回投与

 

副作用等)

重篤な副作用の報告はほとんどありません。

降圧薬や糖尿病薬内服中の方の場合、低血圧や低血糖が現れることがあります。

重度の心不全、腎不全のある方や小児には投与できません。